「恋せぬふたり」3話 オタクの解像度が低い【感想】

週一のアニメをちゃんと追いかけて感想記事とか書いてる人ってマジですごいですね。

前回の感想はこちらです。

oyasaibomb.hatenadiary.com

 

前回予告ではまた愚かで話が回りそうだな……と思ったのですが今回は中盤に楽しいシーンがあったので相対的に気分がマシだっかもしれません。

あと今回はリアルタイムで存在している(?)愚かモブが後輩1人であとは回想の中の人だったのも不快感が少なかった一因かもしれませんね。

 

今回は出テロップでした。

 

「ドラマの中で性的接触の描写があります

 あらかじめご留意ください」

 

録画を見ていたらちょうどこんなage記事も回ってきました

岸井ゆきの&高橋一生「恋せぬふたり」 “性的接触”注釈テロップに反響 - モデルプレスmdpr.jp

 

キスとかセックスがどうこうより登場人物の愚かさが見ててキツいんですけど……

まあ対象層と扱うテーマ的にこのテロップは別にいいんですけど、そこに配慮するなら他にも色々キツいとこあるんちゃう?という気持ちにはちょっとなる。

 

1話の後に検索したら、「周りのキャラの差別ムーブが普通につらかったのでテロップとか注意喚起ほしかった」的なツイートとかは引っかかったんですよね。

まあなんでもかんでもはやってらんねえよと言われればそうなのですが、こういう時ってエロに関してだけは最優先で配慮されるのでなんかさあ……みたいな気持ちはあります。

とか言うとめちゃくちゃ怒られそうだけど。

苦手な側からしたら世の中エロコンテンツが多くてクソ〜!!という気持ちになるんでしょうけどね。

でもなんか「エロが苦手」は他のものが苦手なよりも正当な苦手であって配慮されるべきみたいな空気はあるじゃん。あれ苦手です。

まあこのドラマに関しては向いてないのに見ている私が悪いということでいいのですが、一般論としてね。

 

はい。テロップお気持ちは置いといて本編に行きましょう。

愚かモブが意味不明なことを言ってるところからですね。

ていうかモブモブ言ってますがよく考えたらこの後輩も咲子の家族も普通にネームドキャラでしたね。愚かサブ。

 

後輩はマジで言ってる意味が分からんのでこいつ頭おかしいんか?となりますが、今回新情報が開示されまして、実は咲子の元彼?だったらしいです。

はぁ?

 

ドラマを見ずに記事を読んでいる人は今「はぁ?」と思ったと思うのですが私も意味が分からなくて混乱しています。

今回、後輩はまず愚かなので言っていることがめちゃくちゃなのですが、それに加えて情報開示の順序が変な感じなのと、咲子もお前はなんなんだよという感じの言動をするキャラなので、色々混乱します。

どうやって記事にすればいいんだよこれ。

 

とりあえず本編通りの順番に書いていきますが、咲子と後輩は結構前に

後輩「なんか付き合う前の方が上手く行ってた気がするし活動休止にしね?」

咲子「うん!!そうしよう!!」

という会話をしており別れる感じになっていたので、咲子はもう関係ねえやと思っていた一方、後輩は言うてまだ俺の女だし!と思っていたらしいです。

なんかもうどうでもいいよこいつら。

 

尚後輩は活動休止してから他の女とも何回か交際していたけれども今は誰とも付き合っていないから咲子は俺の女だそうです。ゴミクズか?

他の女と付き合っていたこともあるけど今は恋人いないから!!と言うなら咲子が今高橋と同棲していようが別にいい筈なのでダブスタカスですね。

というかこの後輩、「アイドルは活動休止中でもアイドルなんだから、俺たちもまだ付き合ってんだよ!」と主張していたのですが、仮にその理屈を採用するとしても後輩のやってることは恋愛禁止で活動していたアイドルが活動休止中に恋愛もセックスもしてたけど別れたのでオッケー☆みたいな話なので、それをオッケーと思うなら言ってりゃいいけど、咲子が高橋と同棲することには文句言ってるんだから、本当に自分の発言について何も考えていないバカなわけです。

 

正直これまでの咲子の言動からして、咲子だけが別れたつもりで一般的に見てそうは取らない会話があったパターンか?と疑ったのですが、今回は普通に後輩がカスなだけでした。

今回は愚か成分をこの後輩が一手に引き受けているので愚か度がすごいです。

1話や2話のような満遍ないストレスとはまた違った気持ち悪さですね。不快です。愚か以外で話回せんのか。

 

咲子は後輩のウザい絡みに職場でキレ気味になるのですが、本人としてはキレたいわけではないらしく、夜高橋に相談(?)していました。

「いつもは職場で何言われても笑って流せるんですけど」「(自分は)愛嬌だけが取り柄って言いますか…」「こんなにすぐムッとなる感じじゃない」

いや別にいいと思いますけどねキレて。普通に後輩がカスだったし。

高橋もそうだそうだと言っています。

「人は変わっていくものですし」「咲子さんは今までぼんやりさせていたものと向き合っているところだから変化しているのかも」みたいなことを言う高橋。

まあ自認することによってこれクソだったんだな〜〜!!と分かってじわじわムカついてくるみたいなのは分かりますわ。

 

そして例のアンケートが自分と向き合う助けになるかも、と言う高橋。ついでに高橋にとっては咲子のアンケート回答が、家族になれるか考える材料にもなる、と。

咲子は「もうほぼ家族なのかと(思ってたんですが)」と言いますが、高橋は「ほぼ家族と家族は違いますよ」と返すあたり、色々有耶無耶にしている後輩との対比なのかもしれない。知らんけど

その後高橋が「ほぼカニカニが違うのと同じように」と続けるんですが、もしかしてこいつ前回の謎ムーブはマジでカニが好きなだけだったんですかね???

 

さて、アンケートを眺めながら咲子と後輩の情報開示パート2が入ります。

そういえば字が小さくてさっぱり設問が見えなかったアンケートですが、考証チームブログに大きい画像がありました。

www.nhk.jp

 

問14(恋人やパートナーがいたことがあるか・それは何人か)から後輩との出会いとかの回想が入ります。

後輩は転職初日に部署で挨拶した直後、まだ上司が喋ってるのに遮って馴れ馴れしく咲子に話しかけます。なんだこいつ

咲子が推しアイドルのグッズを持っていて同担と分かったから、というシーンなのですが、職場で部署のメンバーがいる前で推し被ってるじゃん〜!!と大声で叫ぶ人間、無理すぎる。

しかも初対面なのにタメ口ですよ。無理でしょ。

まあこの辺は職場で他人のハンネを大声で叫ぶ咲子とお似合いということかもしれませんが、オタクとして見ていて嫌すぎる。

話を書いている人がオタクじゃないんだろうなということはビシバシ伝わってきます。

 

次、問15(恋人やパートナーとの人間関係で自分のセクシュアリティにまつわるトラブルがあったか)でまた回想が入ります。

後輩の家で推しアイドルのライブ円盤を見ていたところで押し倒され……という流れなのですが、「初めて?」と聞かれて「キス?キスは二回目。」と答えるのはなんか……何?

押し倒される状況からキスは連想できるのにセックスは出てこないのか……

まあ「一度したものは連想できるがしたことのないものは出てこない」ということなのかもしれませんが、そうは言ってもフィクションの描写とかから思い浮かべられないんですかね……?

言葉のニュアンスとかがわからんというのはまだ分かるのですが、押し倒されてその反応というのは流石にちょっとどういう生き方してきたんだよと思います。

 

というか後輩、推しのライブより自分のチンコに価値があると思ってるの意味分からないですね。

休止中もアイドルはアイドル理論の雑さとかもそうなのですが、アイドルの持ち出し方が全然アイドル好きじゃなさそうなんですよね。

ここについては「後輩がアイドルに対してその程度の熱の人間である」という表現なのか、単に話を書いている人がオタク文化に理解が無いのかよくわかりません。

1話の職場でハンネを大声で叫ぶ咲子とかもあるので後者な気がするな。

まあ浅いオタク同士で波長が合ったのかもしれませんが……。

このドラマ、全体的にネットやオタク界隈をわかっとらん感が強いのですが、高橋のブログだけがインターネットでトゲトゲしているマイノリティとしてやたらリアルなせいで浮いています。作中のネットのリアリティレベルが分かりません。

 

でまあヤッたんだろうな〜という回想シーンの後咲子が起きると朝です。朝!?床で一晩??体痛くなるよ。そんな盛大な寝落ちする??

あとここで一瞬高橋の問15の回答が映るのですが、「ある」とだけ書いてある後に一度長々書いたものを消していますね。

多分後々出るんでしょうけどあんまり可哀想な感じだと私が萎えます。(オタクとしての個人的な性癖の話です)

 

さて起きると高橋が何やら落ち込んでいます。

咲子は自分がアンケートを期限(前日中)に提出しなかったせいかと思いますがそんなことではなく。

お気に入りの店のポイントを貯めて一気に使うのが趣味なのに、調整をミスって7つの店のポイント有効期限が今日になってしまい、今日中に回り切るのは無理だ……!!と落ち込んでいるそうです。ウケる。

しょぼくれながらうどんを踏む高橋一生、だいぶ面白いです。

 

それを聞いた咲子が一緒に回ろうかと提案し、仕事後に2人で商店街巡りをすることになります。お出かけイベントですね。

うどんを踏む動きがルンルンになってておもろい。

お出かけイベントは普通に楽しいシーンなのでこのドラマでは珍しく普通に楽しいシーンです(小泉構文)。

まあ後輩がストーキングしているのがちょこちょこ映っていてキモいのですが、喋らない分愚かが畳み掛けてくるよりは幾分マシです。

 

7店目で二人は喫茶店に入り、流れで咲子の過去の交際経験の話になります。

この時咲子が喫茶店でアンケートを取り出すのに対し高橋は「それは家でも」と言っているので、やっぱり職場とか出先であれを広げているのは咲子が不用心なんだと思います。

 

最初の交際相手は坂口という奴で、こいつは高校の頃から咲子にかなりグイグイ好意アピールをしていましたが咲子は全然気付かず友達と思っていたようです。マジ?

坂口は咲子が居るからとバイト先まで被せてきたらしいです。というか同じ大学に来てる時点で相当だと思うが。そこはたまたまなのかもしれんけど。これで友達だったら重すぎるわ。

坂口の「俺は咲子とずっと一緒に居たいと思ってる」に対して「楽しそう!!」と答えたら坂口は付き合っているつもりになっていたそうです。ええ……

普通ここで楽しそう!!ってなるか?

自分が特に特別に思ってない相手からこんなん言われたら嫌じゃないですかね?私は嫌です。私が陰キャだからなのか。

まあなんかそれで坂口は恋人のつもりなのでキスしたら咲子が逃げたのでハァ~?となり、思わせぶりなことすんな!とキレてサークル内にもなんか言いふらし、咲子はサークルで居場所がなくなったそうです。うーん………

死ぬほど見た展開ではあるけど咲子の人間関係距離感にも全く共感できないのでいまいち気持ちが入りませんね……

 

その後社会人になってから親の圧などもあり後輩とも交際してみたけど結局微妙で冒頭の活動休止になったそうです。

高橋は「坂口くんの一件があったのによく付き合えましたね」と言っていて、これはドラマ的には多分心配している台詞だと思うのですが、見てる分には「よく付き合えましたね(どういう思考回路やねんこいつなんなん?)」の気持ちになってしまいました。

 

後輩とは気が合ってたんだという説明の時に「好きな推しも一緒」という変な言い回しが出てきたのでやっぱり話を書いている人はオタクの解像度が低いと思います。「推しも一緒」か「好きなアイドルも一緒」なら分かるんですけど。

「好き」と「推し」ってこういう併用はしなくないですか?

 

咲子は後輩の「(付き合うっていうのは)一緒に居て楽しく笑うことかな!」みたいなフワッとした比喩を間に受けて3日ほど楽しんだが、数日後に後輩の家で推しドルのライブDVDを見ていた時に押し倒されてキスとセックスをやっていましたということらしいです。はぁ。そういう感じなの……。

結局一度目のセックスは痛いだけだったし2回やったけど良さも分からんし好きではないそうです。まあそういうキャラになりますよね。はい。それで活動休止に至ると。

 

一通り喋って高橋家に帰宅しようとしたところでストーキングしていた後輩がやっぱり付き合ってんじゃん!!などと騒ぎながら凸ってきます。うるせ~。夜やぞ。

高橋からストーキングに突っ込まれれば咲子に責任転嫁し、それを更に突っ込まれたら好きなんだからしょうがないだろ!などと抜かす後輩の愚か度がストップ高ですね。

高橋「誰かを好きな思いがあれば異常な行動も許されるなんて思わないでください」

言いたいことは分かるけどここは違法な行動とか他人に迷惑とかにしてほしかった。異常という言葉を使うとマイノリティが結局不利になるやつなので。ほら異常はあんただろって言い返されてる~レスバが下手!!

 

このドラマ、愚かモブがめちゃくちゃ分かりやすく愚かなんですけど、主役二人のレスバ力(ぢから)が微妙なせいでストレスが貯まるんですよね。

咲子はヘラヘラしているのでもう全然ダメなのですが、高橋もトゲトゲマイノリティの割に実際トラブルが起こるとイマイチなんですよね。竈門炭治郎くんを連れてこい。*1

まあネットでトゲトゲしてるからってリアルで失礼なことを言われた時にスパーンと返せるわけじゃないというのは分かるのですが、愚かモブ側がフィクション的に都合の良い愚かムーブをしているんだから主役側も都合良くいいレスバくらいしてもいいと思うんですけどね。

 

そして喧嘩売って来た後輩を高橋が振り払おうとしたら家の前の石段から後輩が落ちそうになったので高橋がそれを引き上げつつ代わりに自分が落ちて頭打って気絶して終了しました。

メインキャラがどうかなるわけないから緊張感もなんもないな。ただただ後輩が迷惑というだけのイベントだな。

 

そして次回は何故か高橋家に後輩が押しかけてくるらしいです。はぁ?

高橋断れよ。お前の家だぞ

 

マジな話なのですが、こういうテーマの話で竿役に普通に恋愛文脈で見てもカスのキャラを持ってくるのは話がブレませんかね?

これだとなんか後輩が個人的にカスだから上手くいってないみたいになっちゃいません?

私は可哀想ヒロインが紳士的で優しい男と付き合ってみたけどやっぱり上手くいかなかったの。。。つらたん。。。みたいな話はオタクとしてあまり好みではないのですが、テーマに合った内容を過不足なく伝える上ではああいうカップリングは適切なのだなと分かりました。

 

そういえば咲子は相変わらず好みのキャラではないのですが、しかし今回を見ていると、今回の高橋と落ち着いて喋っている時の感じが本来の咲子の自我なのかな?という感じを受けました。

モブと喋っている時の咲子は基本的によくわからない事をヘラヘラと笑って流して誤魔化しているのでなんかバカっぽく見えるのでしょう。

本人はそれを「愛嬌が取り柄」と捉えていましたが正直それ周りからはナメられてバカにされてるだけなんじゃ?と思います。

いや、にこやかなのは良いことなんですが、ナメた扱いをされた時にはは?(威圧)という態度を出した方がよいですからね。ヘラヘラしているとこいつはナメていい奴だな!と取られますからね。

まあこの対モブ時の咲子は、2話冒頭で言っていたところの「モヤモヤ」している状態なのでしょうたぶん。

あと2話までの咲子は謎に力んでいたのであれも多分変な状態だったんだと思います。

 

一方でトラブルも無く高橋と二人で落ち着いて喋っている時の咲子は、確かに割と穏やかで気も利く良い人っぽいんですよ。これが2話冒頭で言っていたところの「(高橋と話していると)モヤモヤしたものが晴れて」いる状態だと思うんですよね。

だから今後咲子がいい感じに自分を分析し、世界との向き合い方を改善できたら、もう少しシャキッとした感じになるのかもしれません。知らんけど。そうなるといいですね。いやそうなっても多分私の好みのキャラではないですが、本人はそうなる方が生きやすそうなのでね。

最終的には高橋と居なくてもシャキッとできるといいですね。でもこの話がシャキッとできるパートナーと家族になれてハッピー!という路線なんだったらだめかもしれない。

 

あと咲子の鈍感さについては考証チームブログで一応触れられているのですが。

 

(中村):また、この話では「なぜ咲子は2人も付き合っているのに恋愛的な要素が分からないの?」という質問もありそうですが、これは私も咲子に共感するところがあり…。今回皆さんには端的に言うと「恋愛/性愛がない世界」を見ていただいているわけですが、そう簡単に「こういう世界なんだ!」とはしっくり来ないと思います。私はそれと逆の世界で生きている感覚で恋愛・性愛のアンテナはそう簡単に取得できないんですよね…。私の場合も咲子もそれに近いんじゃないかなぁと。

 

言いたいことは分かるけど……恋愛/性愛が無い世界というのはあまり物語で描かれない一方、恋愛を題材にしたフィクションは溢れているのに、なんかそういうテンプレなんだなァ~くらいの感じにはならないんですかね。

まあ個人差なのは分かるんですけど押し倒されたらセックス関係なくても普通に暴力(非性的な意味で)などを想起して危機感感じませんかね?知らんけど。

 

考証チームブログにリンクが貼ってある『アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020調査結果報告書』はけっこう面白いので、創作のネタにAを使いたい人などが居られましたら見てみると楽しいかもしれません。知らなかったこんなの。

asloop.jimdofree.com

 

尚私はこのドラマの二人のキャラ付けを散々好みじゃないと言っていますが、個人的に好みではないだけでこういうのをやめろとか思っているわけではありません。

1話の記事でも言っていましたがこういうやつは基本形としてまあ分かるのでね。

そして考証チームブログで重要なことを言っていたので引用しておきます。

 

……以上のように、ドラマで描かれることだけが全てではなく、実際の当事者の経験は多様であることがわかると思います。 日本では(おそらくその他の国でも)、アロマンティック・アセクシュアルが主人公のドラマは珍しいのですが、今後、より様々な当事者像が描かれることを願います。 一人ひとり多様なアロマンティックやアセクシュアルなどのセクシュアリティを持つ人たちが、自分のあり方を自然と肯定できるような作品が増えることを期待しています。

 

というわけなのでね。

属性として興味を持った方が居ましたら是非さっきの報告書などを参考にしつつえっちなAのおにーさんキャラなどを作ってほしいです。作ったら教えてください。よろしくおねがいします。

 

最後に最高のフォロイーが実際にAのキャラを出していた小説を宣伝しておきます。

 

kakuyomu.jp

 

ありがとう!フォロイー!

*1:鬼滅見てません ごめん