「恋せぬふたり」4話 急に面白くなるな【感想】

なんと今回は面白かったです。

 

前回記事はこちら。

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面白かったのでさっさといきます。

はい、高橋が階段から落ちたところからです。

 

高橋「ここは……それに貴方、どなたですか」

 

いや草

 

高橋「冗談です」

 

冗談かよ!!お茶目か

こういう時って記憶喪失なりがちじゃないですか……とか言い出して笑った。

そしてまさか自分が誰かを庇って怪我するなんて思わなかったんで……と笑う高橋。なにわろてんねん

 

結局救急車を呼び、3人共一晩病院で過ごす羽目になったみたいです。

咲子が「タクシー乗ろうって言ったのに……」と言いながら、明朝後輩が高橋の車椅子を押して高橋家に帰還します。

ところでずっと後輩呼びしていましたが後輩は松岡一(カズ)という名前だったので松岡呼びにしますね。

 

昨晩は色々アレでしたが、高橋が片腕骨折と腰を怪我?したことに関して松岡は真面目に反省しており、家の前で土下座しつつ謝罪をしていました。

一方の高橋は「体が勝手に動いただけなので」とドライな反応。高橋は基本ロジカルなキャラっぽいので、昨晩のやりとりはともかく、怪我に関しては松岡を責める気はないってことでしょうか。

 

家の前で松岡とは解散、となりますが、問題は高橋家の前の石階段。

高橋は自力で上がろうとしますが、腰を怪我しているので後ろ向きに座って這いずるみたいになっていてつらそうです。

咲子は一応手伝いましょうか、と言うも高橋は拒否。接触が苦手ということを知っているので咲子も強くは出られません。

 

と、ここで帰ったはずの松岡がシュバってきました。失礼します!!と高橋を持ち上げて家まで運ぶ松岡。これは高橋のことをよく知らず、素で馴れ馴れしい松岡にこそできるムーブですね。

松岡の手助けに咲子が「カズくんありがとね」と言うのですが、この台詞1つで「あ、この2人ちゃんと仲良いわ」というのが分かります。

3話までは松岡が愚かパートでしか出てこないのでこいつの何がええねんとなるし、咲子の元カレであったという設定もええ……?という感じなのですが、このあたりの会話だけで恋愛はともかく普通に仲良しであることは伝わります。

 

さて、ここで

松岡「俺、ここ住むわ」

咲子&高橋「は?」

 

松岡、「男としてちゃんと責任を取る」とのことで、高橋の介護のために有給を使って休むと言い出します。

勿論高橋はああいう性格なので拒否するのですが。

 

松岡は昨晩病院で咲子と高橋との関係について、またAロマ、Aセクについて等説明されたけど、よく分からんかったようです。まあ急に理解できないのはそりゃそうです。

で、咲子とまだ解散してない(と本人は思っている)自分としては2人のことを納得したい、だから2人と一緒に住みたいのだと言います。

これは松岡としては咲子のことを好きだから、だと思うのですが。

 

「理解したい、納得したい」というスタンスは、必ずしも最良の結果に繋がるとは限りません。しようとしたけれどもやっぱり理解できなかった、納得できなかった時に、結局対象を排斥するようになったりもします。それを知っているからなのか、高橋は微妙な反応です。

でも、2話で「納得できない」と言って、そのまま咲子と高橋が立ち去るしかなかった咲子の実家の人たちと比べれば、松岡は2人の方へ歩み寄ろうとしています。松岡は分かってはいないし度々失礼な物言いはしていますが、それでもまあマシです。

松岡の図々しい手助けが階段問題を解決したように。

 

あと、咲子が高橋が居ない間に松岡に色々説明していたということに対して、ここで高橋が「アウティングには気をつけましょう」と説明を入れました。

1話でペンネームを外でバラしていた件についてはスルーでしたが、まあとりあえずアウティング概念について説明が入ったので、こういうテーマの話としてポイントは押さえている……かな?

 

色々言いましたが、結局「その状態じゃどこも行けないし、困るんじゃないですか?」という松岡の指摘に押し切られる形で、3人での生活がスタートすることに。

 

ちなみにこの流れで松岡が「咲子じゃ高橋さんのことちゃんと支えられませんよ!」と言うのですが、これは松岡としては物理的な介護の話をしていると思うのですが、メタな話では支える(比喩)も入っているようにも思えます。

3話では咲子と高橋の関係もかなり良い感じに思えましたが、どうなんでしょう?

 

今回の描写から言えば、咲子は恋愛や性愛が絡まなければ優しくて気が利く人のようですが、それ故に階段を1人で登ろうとする高橋を助けることはできませんでした。

勿論これは接触が苦手という高橋の事情に配慮した結果なのですが、今回の場合は図々しい松岡が強引に助けに入ったことで、結果的にはさっさと家の中に戻れたわけです。

もしかしたらその辺の話を匂わせたセリフなのかもしれませんね。分からんけど

 

松岡は高橋の介護にめちゃくちゃやる気を見せており、高橋は結構鬱陶しそうにしていますがグイグイ来ます。

私は接触が苦手とかは無いので高橋の不快感には全然寄り添えないのですが、このあたりの松岡は若干ウザめではあるものの概ね人当たりが良く、実際に色々手助けをしており、総合的な印象は良いです。流石営業と言ったところでしょうか。

 

朝食の時間。

今日は高橋がうどんを踏めないので咲子がカップうどんを持ってきます。

咲子「朝はうどんって決まってて。いつもは高橋さんの手打ちだよ、すごくない?」

松岡「カップルみがエグいな!」

咲子「え、どこが?」

高橋「恋愛至上主義者はそう結びつけるんです」

「え、どこが?」の言い方がガチで笑う。まあ松岡が言いたいこともわからんではない。

松岡は朝からカップ麺は嫌だから咲子が朝食を作ってくれと頼み、そういうことになります。高橋は自分で作ればいいと言いますが、松岡は「俺料理とか無理なんで」。

松岡は咲子が作ったパンに卵とか肉とかを挟んだ何か(?)を「雑なやつ」と言っていますが、普通に美味しそうです。

 

高橋が休むことについては、咲子から高橋の職場に連絡したそうです。それから高橋は、咲子を緊急連絡先にしてもよいか、と確認し、咲子は「いいですね、家族っぽいです!」と了承……すると、松岡がその様子を「カップルみが出てる」「カップル通り越して妻みも出てる」と言います。

咲子「私は高橋さんの役に立てて嬉しいだけで」

松岡「そういうのが好きな人に抱く感情なんじゃないの?」

咲子「私、身近な人なら誰の役に立てても嬉しいけど」

咲子めっちゃいい人だな。高橋が「なんでも恋愛が始まる合図にしたいんでしょう」と言うと「えっ俺がおかしいのか……」となる松岡。まあCP厨のオタクとかもそんなもんですからね。

松岡は「恋愛感情が無い」というのがまだよく分からんようで、二人のことはカップルにしか見えないし、世間から見てもそうとしか見えないだろう、と言います。まあ人によるだろうけど、そういう人も多いのは多分そう。

尚咲子はクリスマスフェアの企画が忙しいということで、休みは取れないので在宅勤務になりました。

 

選択物を干す松岡。咲子と高橋の洗濯物が別なことが意外だったようです。確かにそこは「家族」っぽくはないポイントですかね。

「自分のことは自分で、です」と言う高橋に「やってもらえばいいのに、家族ってそういうもんでしょ?」と松岡。「家事を押し付けるのが家族ですか?」と言われ、「あー俺亭主関白的なところあるんですよね」。

洗濯はまあ同じな方が水とか洗剤は節約できそうだが。

松岡は恋愛脳だし割と保守的な男女観を持っているタイプみたいですが、高橋と喋っていて自分がそういう傾向である、ということを自覚し始めているみたいですね。

 

ついでに質問、と言って、松岡は高橋に「咲子と居てムラッと来ないのか」と聞きます。高橋が割と鬱陶しそうにしつつ否定すると、今度は不能なのかと(言葉は濁しつつ)訊く松岡。

この「ムラッとくる」というやつ、私もよくわからんのですが、これはAセクAロマ以前に男女で割と感覚が違うやつなんですかね?わからん。まあ人によりそうだけど。

私はめちゃくちゃエロが見てえ~という時はあるけどそれが誰かと居ることによって起こるとかは無いです。ストレスと血祭りは影響する。

私はこの辺の話を面白がるタイプなので、これを聞きたくなる気持ちはまあ分かります。ただ相手が嫌がってるのに「恥ずかしがらなくていい」という方向で続けるのはだめですが。

大丈夫なタイプの人としようねそういう話は。

 

尚この会話は咲子の部屋まで筒抜けており、止めに来ます。

「嫌がってるじゃん」と言われ、松岡は「咲子のこと分かりたいから」と言いますが、高橋から「分かりたい気持ちと不躾な質問は違います」と言われて黙ります。

高橋は怒ったのかと思いますが、意外にも松岡は納得しており高橋に謝ります。えらい……。

質問の仕方はまあクソですが悪かったと思ったら謝れるのはめっちゃ大切。

高橋も言い過ぎたと謝ります。コミュニケーション……。これインターネットでも大事なやつですよ(反省)

 

さて昼です。松岡は咲子に作ってと言い咲子もその気になりますが、高橋が「仕事忙しい時に作ることないです」と言うので宅配ピザになります。

高橋は宅配にありがちな邪道ピザ(?)は好きではないそうですが松岡と咲子が邪道ピザ派なので邪道ピザになります。あとカニで釣られてました。本当にカニ好きだな。

食べたら意外と良かったみたいですが、カニカマだったそうです。草

 

来客です。高橋の職場の女性二人が差し入れを持って来ました。

おばさんって感じの人と、おばさんって言ったら怒られそうな感じのもうちょっと若いけど若くはないぐらいの感じの二人です。私の三次元の人間に対する年齢感覚がガバガバで全然うまく伝わらない。

若めな方が「高橋さんもこんな可愛らしい彼女さんが居るなら教えてくれたらいいのに~ウフフww」「(高橋が居ないと)寂しいですし…」とか言っててなんかそういう感じみたいです。

おばさんな方も「出前もいいけど彼女さんにちゃんとしたもの作ってもらって栄養つけないと~」などと言ってきます。うるせえな。

松岡もうるせえ奴らだなと思っているみたいですが咲子は全然気にしてないみたいです。

 

松岡は咲子が来客の態度を気にして落ち込んでいると思ったらしく、夜咲子の部屋に来て、「色目使ってた」「気にしなくていいからな」と言いますが、咲子はやっぱり全然気付いていないし気にしてもいません。

松岡は「男に色目使われて焦ったり落ち込んだりしないのか」と聞きますが、まあそういうのは無いでしょうねえ。

でも私はピザに対するマウントは普通にムカつく。うるせえよ。

今度は咲子が逆に「恋人って相手を独占するってことなの?」と訊くと、「イコールじゃねえけどさ…」と松岡。

尚、高橋も松岡が思っているような意味では全く気にしておらず、単に「思いのこもりすぎた差し入れ(高橋のブログの文ママ)」と受け取っていました。

そんな二人を見て「マジで分かってねえんだな、恋愛が……」と呟く松岡。確かにこういうあたりは話だけ聞くよりも、一緒に生活している方が分かるわな。

 

ちなみに咲子の元気が無い、というのは松岡の見立て通りで、咲子は来客がどうのこうのではなく、「恋するクリスマスフェア」の企画がピンとこなくて行き詰まっていました。

「自分のことをモヤモヤしている時は流せたけど、今は色々考えてしまう」と言う咲子。恋について調べたけどよく分からないし、恋愛関係のフェアが多いのに恋愛しない自分は企画の仕事に向いていないのではないか、などと落ち込んでいます。

 

高橋はぱっと言葉が出てこず。松岡は少し考えた後、「今の咲子にはサニサイ(例の推しアイドル)が足りてない!サニサイでくだらない考えを吹っ飛ばすんだよ!」と言い出します。

まあ推しは実際偉大。それは正しい。

松岡は「企画部のオッサン達が女子力フェアとか美容フェアとか本気で理解できてると思うか?皆こんな感じだろ~って分かった気になってやってるだけだよ!」と続けます。それに「分かった気は嫌、喜んでもらいたい」と返す咲子。

松岡「だからそれが大事なんだって。分かる分からないの前に、その気持が大事なんじゃねえの?本気でお客さんを喜ばせようって考えられる奴が、企画の仕事向いてないわけないって」

これめちゃくちゃ大事なこと言ってますよ!

 

仕事のこともそうですが、「分かる分からないじゃなくて喜ばせようという気持ちが大事」というのは本編ワードです。

まあ「喜ばせよう」は少し本編の話とはずれるかもしれませんが、「分かるからうまくいく」というわけではないのは、1話の高橋の「僕のことナメてます?」から繋がっているこの話のテーマなんだと思います、多分。今回の階段の件なんかもそうですね。

逆に言えば「分からないならダメ」でも無いわけで。つまりこれは、高橋と咲子が家族をやることによってのみ二人の問題が解決し得るわけではない、ということを暗示している、のでは……?

どうだろう。そうだったら私は嬉しいけど。

 

ちなみに咲子は過去に松岡とサニサイの解散について喋っていた時に「噂なんてどうでもいい、(サニサイの)皆が今幸せならよくない?私達にできるのは(サニサイの)皆の幸せを祈ること」と言っていたそうで、松岡は咲子のそういうところがすごいと思うし好きみたいです。まあいい人だな。

尚「そういうところが…!」まで言って咲子のことを思ったのか「好きなんだ」は飲み込んでいました。別にそういうのは言ってもいいような気もするけど……でも松岡的にそれは恋愛的な「好き」だから、ってことなんですかね。

 

松岡の話と、ついでに高橋の「恋愛至上主義者は何でも恋愛で補完してくれますから」という言葉で咲子も元気が出てきたようで、サニサイのライブ円盤を見て気分を上げることになりました。

このライブを見ているシーンですが、元々それで意気投合したので当たり前と言えば当たり前ですが、松岡と咲子がめちゃくちゃ息が合っています。

松岡は高橋と咲子について散々「カップルにしか見えない」と言っていますが、4話全体で見ると松岡と咲子の方がそういう感じなのではないでしょうか……?

 

私はその辺のセンサーがあまり鋭くないので自信がありませんが、基本的に敬語だし色々気を遣い合っている感じの高橋・咲子よりも、趣味も合うし付き合いが長くお互いのことをよく知っているっぽい松岡・咲子の方が普通にカップルっぽい雰囲気を出しているような気がするのですが……

まあ過去交際していたからと言ってしまえばそれまでですが、咲子が楽しそうなのはどちらかというと松岡のように見えます。

咲子は前回喫茶店からの帰り道で高橋との外出を「気楽」と言っていました。もちろん気楽な関係もそれはそれで良いし、どちらが上位という話ではありませんが、松岡が気にしているように高橋と咲子の方が上手く行っているかというと、それも微妙な感じがします。

 

さて翌朝、咲子は企画のプレゼンに行かねばならんということで出勤していきます。

高橋と二人になった松岡は、「本当に咲子には気がないんですか?」と既に何度もしている質問をまたしていますが、そこから「恋愛とは何か」トークに流れます。

高橋に「逆に聞きますが恋愛とはなんですか?」と聞かれた松岡の答えは、「お互い好きになって、告ってキスして、その後もしたカップル」「人類が昔からしてきた行為」。

一方高橋は、恋愛とはその時代と場所によって変化するもので、日本で「恋愛」という言葉ができたのは明治時代、それ以前はその価値観すら存在しなかった(諸説あり)のだから、そんな流動的なものに人間すべてを当て嵌めることに無理があるのだ、という話をします。へぇ~(知らなかった)

松岡は「高橋さんどこ大っすか?頭いいから、スゲー大学出てるのかなって」と素直に関心していました。農学の専門学校卒だそうです。

松岡はこの段階ではかなり高橋の話を真剣に聞くようになっているし、やはり元々の考えは抜けないものの、言われれば納得できるくらい分かってきたらしく、「高橋さんの言うこと、結構納得することが多い」と言います。

高橋はこれに「それは、よかったです」と大分戸惑った感じで返していて、多分このように非当事者と色々話して、ある程度の理解を得た経験が無かったのかな~と思いました。

高橋が最初に渋るのは分かるし、実際松岡は失礼な言動もあったけど、まあ最初から急に理解ムーブをできないのは仕方ないし、なんか有意義な共同生活になったみたいでヨカッタネ……!

 

咲子が帰宅すると、松岡が夕飯を作っていました。「料理とか無理だし」と言っていた松岡がです。

実はさっきの恋愛とはトークの後、松岡は「咲子を理解するために、あと何を知ればいいですか?」と高橋に質問していました。それで朝昼の料理に対する言動からやってみた方がいいという話になったのでしょう。

高橋流の味付けに疑問を呈しつつも、とりあえず言う通りにしたみたいです。

この「疑問を呈しつつもとりあえず言う通りにして食ってみる」というのも、分からん同士のコミュニケーションの比喩みたいなやつなんでしょうたぶん。

前日昼の邪道ピザと合わせて、お互い少しずつ歩み寄れている、というアレですね。グラブルのイベントでこんなんあったな。

 

咲子が松岡が料理したことに驚くと、「何か咲子の役に立ちたくて」と松岡。咲子も「身近な人の役に立てたら嬉しい」と言っていたのと繋がっているやつでしょうか?だめだ、そういう読み取り分からん。

とにかく松岡は「料理って面白いけどめんどくせえ」という実感を得たらしく、咲子に「ちゃちゃっと作って」などと言っていたことを謝ります。大事。

ちなみに初料理なのにロールキャベツに挑戦したのは咲子が好きな料理だからだそうです。

咲子は別にそれを言っていたわけではなく、ロールキャベツ定食が売切れでめっちゃへこんでいたのを覚えていたそうです。好きな人のことはよく見てるというやつですね。本当に好きなんだなあ。

 

寝落ちした高橋の横で咲子と松岡の会話になります。

自分は何も分かってなかった、AロマAセクのこともまだ完璧には分からないけど納得できてきた、もっと知っていきたい、恋愛抜きの家族もありなんだな、と言う松岡。共同生活でめちゃくちゃ知見を得ている……。

 

そしてこう続く。「だからさ、俺でもよくない?」

咲子とは気も趣味も食べるものも合う。だから、キスもセックスもしないから、恋愛抜きで家族になるのは俺でもよくない?と言う松岡。

 

これ、何も考えずに見ていたので、私は「そうきたか~~~~!!!!」と思ったのですが、皆どうだったんですかね?

「そりゃそうなるよな」となるか、「いやそれはなんかちがくない?」となるか。

3話までの松岡のカスっぷりを見るといやお前な……という感情も湧きますが、この話は話の都合でキャラの愚か度が都合よく変わるので、まあ3話までのことはこの際忘れましょう。

 

これ、咲子に近い視点で見ていると、なんかちがくない?という気分になる気がしますが、理屈的に考えると松岡の言うことは別に間違ってはいないと思うんですよね。

ただ難しいとは思います。実際AlloセクシャルやAlloロマンティック*1の人と共同生活をしているAの人の話などはちらほら聞きますが、そういう場合は大抵その相手がAの側のことを恋愛的・性的な意味で好きではないということが多いのではないだろうか……?いやでも知らん、どうなんだろう。

 

これね、松岡は割と恋愛脳だし、今そう言っても結局そんなことできないんじゃない~?という意味での難しさは勿論あるのですが、それだけじゃないと思います。

仮にそれができたとしても、それは多分松岡にとって我慢していて、つらい状態です。

松岡にとって「好きな相手と恋愛的・性的な繋がりを得たい」と思うのは自然で、そして多分大切なことです。勿論嫌がっている相手にそういうことをしてはいけないのですが、片方が常に何かを我慢している関係性がうまくいくのは多分難しいですよね。

これはノンセク彼氏漫画の感想記事(ノンセク彼氏漫画の感想と、感想の感想 - oyasaibombの日記)でも似たようなことを言いましたが、恋愛や性的な繋がりを「当たり前で自然なもの」みたいに押し付けるのはよくないのですが、個人と個人の関係においてAの側が一方的に譲歩させるみたいになるとあまりうまく行かないと思います。これはセクシュアリティがどうこうとは関係なく、普通にどちらかだけ我慢している関係を維持するのは難しいだろうという話です。

そうすると結局、Aの人とAlloの人が一緒に生活する場合、Aの人はAlloの人から見てそういう意味では特に好みじゃない方がよいということになるし、そういう意味で好みな場合はもうちょっと距離を置いて友達としてやっていくのがいいね、みたいになってしまうような気はしますが……。どうすんのかなこれ。

 

松岡には恋人は別で見つけてもらって咲子とは友達としてやっていくのが一番よいのでは?という感じがしますが、これは私が恋愛関係を重視していないからそう思ってしまうのでしょうし。

 

次回は咲子・高橋・松岡の3人で出掛けて、咲子にどちらと暮らしたいか選んでもらうみたいな話になるみたいです。

 

今回急に普通に面白くてめちゃくちゃびっくりしたのですが、いやこれ、普通に面白くないですか???今までの3話はなんだったんですか???

今回の松岡は普通にいいキャラだったと思うのですが、3話までの愚かムーブがチラついてたまに邪魔でした。あんなに愚かにする必要あったか???

咲子と高橋のことに口を出してくるのも、「元カノが変な男と同棲は普通に心配だろ」みたいな感じでもよかったのでは……?どうして…………?

わからん……。

とりあえず面白かったので普通に次回が気になります。

 

最後に前回とは別のフォロイーがAのキャラを出していた小説を宣伝して終わりとします。

 

kakuyomu.jp

 

前回紹介した『アップルパイ・フレンド』と比べるとAであること自体がそこまでメインという感じの話ではないのですが、それは置いといても普通におすすめです。

あとAのキャラがそれが重要なわけではないけど居るというのも、それがメインテーマの話とは別の栄養がありますからね。

 

以上です。では。

*1:AセクやAロマの対義語として、「他者に対して性欲が向く人」「他者に対して恋愛感情が向く人」を、その対象が誰であるかに関わらずまとめて呼ぶ語。Aの対義語なのにAで始まっていて分かりにくいので普段はあまり使わないのだが、それらをまとめて呼ぶ必要に迫られたので使った。尚「Aの反対」ということでZセクシャル、Zロマンティックとも言われるらしい。